生産者インタビュー:「農大マルシェ」に込める期待

駄農園-牧之原で八十年、お茶の栽培と製造を-

自園の茶畑で農薬や化成肥料を使わずに育てた茶葉100%を使い、緑茶・紅茶・釜炒り茶・番茶・白茶など製造販売しています駄農園といいます。最大54種類もの品種を栽培するなど牧之原の土壌に合った品種を探そうと研究を重ねてます。

小さな農家であるにもかかわらず、経営を顧みず研究に没頭したため、友人に「お前は駄農だな」と言われたことから、以降自ら「駄農園」を名乗るように。初代のお茶に対する熱い想いに敬意と感謝を込めて、私たちも「駄農園」と名乗っています。

── 農大マルシェと他のマルシェや朝市との違いについて教えてください。

世田谷代田の朝市とも関わりがありますが、農大マルシェは開催時間が午後まで続くので、お客様の生活リズムに自然と寄り添っている感覚があります。午前中だけだと来られない方にも足を運んでいただけるのは、ありがたいですね。

── 他のマルシェとの違いはどう感じていますか?

最近は参加店舗も増えてきて、他のマルシェとの合同開催などの広がりが出てきたのは嬉しい変化です。お客さまの層も多様で、家族連れから大学生、ご年配の方まで様々。雰囲気も穏やかで、地域とのつながりを大切にする空気感がとても心地良いと感じています。

── 現在の様子と、今後に期待することはありますか?

今はまだ『農大マルシェ』の名前や存在が十分には知られていない部分もあるので、もっと多くの人に知ってもらえるといいなと思います。農大ならではの強みや、学生さんの元気な関わりも魅力の一つですし、季節ごとに足を運びたくなるような“賑わいのあるマルシェ”として、年間を通して盛り上がっていってほしいですね。

アグリマリアージュ-東京農業大学が開発した花酵母を使ったパンやスイーツなどの製造を-

下北沢アグリマリアージュcookingスタジオを拠点に、フランス菓子や米粉スイーツ、花酵母パンの製造・販売を行っている「アグリマリアージュ」です。東京農業大学で研究された天然酵母「花酵母」を使ったスイーツのレシピ開発にも取り組んでいます。また、少人数制のレッスンも少しずつ開催中です。

── 来場者の傾向は?
世田谷代田朝市は、朝7:00~15:00の時間帯で開催されており、特に高齢者やワンちゃん連れのお客様が多い印象でしたが、農大マルシェでは、前半は高齢の方が中心ですが、時間が進むにつれてご家族連れ、特に小さなお子様連れのお客様が増えてくる傾向が見られます。

── 来場ピークについて教えてください?
いずれも午前中がピークとなり、12:00~14:00の時間帯は比較的人出が落ち着きます。ただ、終了時間が近づくと、再び来場者が増えることもあります。

── 農大マルシェのお客様の特徴
農大マルシェでは、近隣にお住まいの方が多く訪れている印象があり、農大への親近感や距離感が世田谷代田朝市とは少し異なります。また、第4土曜日に開催されるマルシェについても徐々に認知が広がってきており、毎月のように足を運んでくださるリピーターの方も増えているのを感じます。

── 雰囲気についてはどうですか?
他のイベントと比べると、音楽や香りといった演出が少ないため、お祭りらしい賑わいが控えめな印象があります。

── 今後への期待をお願いいたします?
特に12:00~14:00の比較的人が少なくなる時間帯を、どう盛り上げていくかが今後の課題だと感じています。
キッチンカーが増え、その場で食事を楽しめるメニューが充実すれば、さらに集客に繋がる可能性があると思います。ただ、過去に出店されたキッチンカーの様子を見ると、出店者同士の購入が中心で、一般のお客様の利用は想定よりも少なかった印象もあり、内容や価格帯の工夫が必要かもしれません。
また、世田谷代田朝市の頃に比べ、学生さんたちが積極的に参加するようになってきたのは非常に嬉しい変化です。今後は、収穫祭のような活気あふれる雰囲気づくりも期待したいところです。

小坂農園-江戸時代から続く伝統野菜を含む多種多様な野菜を栽培-

東京都・国分寺市にて、江戸時代から受け継がれる伝統野菜を中心に、多種多様な野菜を栽培しております。主な栽培品目には、国分寺の伝統を代表する「寺島ナス」「東京うど」「半次郎きゅうり」などがあり、いずれも地域の風土と歴史が息づく希少な野菜たちです。また、自家栽培の谷中生姜を使った自家製ジンジャーシロップは、テレビ番組『24時間テレビ』でご紹介いただいたほか、『農家メシ』『昼めし旅』など、多くのメディアにも取り上げていただいております。これからも、東京の伝統と旬の味わいを多くの方にお届けできるよう、心を込めて野菜づくりに取り組んでまいります。

── 農大関係のマルシェとの違いは何ですか?
東京農業大学に関係するマルシェは、何より「農大ブランド」への深い愛情と誇りに満ちています。農大出身者や関係者はもちろん、全国各地に「農大ファン」と呼べるような方々が存在していて、「農大」という文字を見るだけで自然と反応してしまうという声も少なくありません。私自身もその一人で、農大という名が持つ温かさや信頼感、そして地域とのつながりをとても大切に感じています。

農大マルシェは、そうした「農大カラー」が前面に出た、非常に個性的で愛着のあるマルシェです。単なる産直イベントではなく、「農大魂」を共有する人々がつながり、交流する場として機能しているのが他にはない特徴です。

── 他のマルシェと比べてどう感じますか?
農大マルシェは、開催地である世田谷区の自然豊かなキャンパス環境にも恵まれており、学生だけでなく地域の住民の皆さまも気軽に訪れることができます。都市にありながら緑が広がるキャンパスは、散歩や買い物に訪れるにはちょうど良い場所で、地域に根ざしたマルシェとしての魅力を持っています。

また、農大マルシェでは「つくる人の顔が見える」ことを大切にしており、生産者との直接のコミュニケーションも楽しめます。一般的なマルシェと比べて、来場者と出店者の距離が近く、「人とのつながり」を重視した温かい雰囲気が漂っているのも魅力の一つです。

── 農大マルシェに期待していることは?
現時点では、まだまだその存在が広く知られているとは言えませんが、全国には本当に多くの農大出身の生産者が活躍しています。その方々が農大マルシェに参加し、それぞれの地域の特産品やストーリーを持ち寄ることで、非常に魅力的な場になっていくと確信しています。

将来的には、SNSや口コミを通じて農大関係者だけでなく、一般の方々にも「農大マルシェっていいね」と思っていただけるような認知度を築いていきたいと考えています。農大ならではの誠実なものづくりと、地域とのつながりの強さを生かしながら、多くの方に親しまれるマルシェへと成長していくことを心から願っています。

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